江之浦測候所は、神奈川県小田原市に位置する、現代美術作家・杉本博司氏がつくった特別なアート施設です。
自然と芸術が融合するこの場所は、多くの見どころが点在し、訪れる人々に感動と新しい視点を提供します。
江之浦測候所は単なる美術館ではなく、自然との調和を感じながら、芸術作品を深く楽しむことができる特別な場所です。
この場所を訪れることで、日常の喧騒を忘れ、自然と自分自身と向き合う贅沢な時間を過ごすことができます。
本記事では、江之浦測候所の魅力的な見どころを詳しく紹介し、訪問者がどのような体験を得られるのか、その感想を交えながら解説します。
江之浦測候所 見どころを検索している方に向けて、予約方法やアクセス、滞在時間の目安など、訪問前に知っておきたい情報も網羅しています。
この記事を読むことで、江之浦測候所の見どころや施設の詳細、アクセス方法、滞在時間の目安など、訪問に必要な情報をすべて手に入れることができます。
これにより、訪問の準備を万全にし、江之浦測候所での体験を最大限に楽しむことができるでしょう。
この記事を読むと分かること
- 江之浦測候所の主要な見どころとその魅力について
- 杉本博司氏の設計理念や芸術的ビジョンについて
- 江之浦測候所へのアクセス方法や予約方法
- 滞在時間の目安や訪問時の注意点について
江之浦測候所の見どころと訪問しての感想
- 江之浦測候所とは
- 杉本博司氏について
- 江之浦測候所の設計者
- 展示されるアート作品
- 環境そのものが展示物
- なぜ測候所?
- 滞在時間はどのくらい?
江之浦測候所とは
江之浦測候所は、神奈川県小田原市にあるユニークなアート施設です。
現代美術作家の杉本博司が設立し、2017年に開館しました。
この施設は、アート、建築、自然が融合した場所で、訪れる人々に新しい体験を提供します。
江之浦測候所の名前について。「測候所」とは、通常、天気や気象を観測する施設を指します。
しかし、ここでは天候を観測するだけでなく、自然とアートの関係を探求する場所となっています。
杉本博司は、この場所を「世界や宇宙と自分との距離を測る場」として設計しました。
江之浦測候所の敷地内には、多くのアート作品や建築物が点在しています。
代表的なものには、100メートルの長さを誇る「夏至光遥拝ギャラリー」や「冬至光遥拝隧道」があります。
これらの建物は、それぞれ夏至や冬至の太陽の位置に合わせて設計されており、自然の動きを感じることができます。
江之浦測候所は完全予約制です。
訪問者は事前にチケットを購入し、指定された時間帯に見学します。
このことで、混雑を避け、静かで落ち着いた環境でアートや自然を楽しむことができます。
また、訪問者はスマートフォンやカメラの使用を控えるよう求められます。
これにより、現代のデジタル社会から一時的に離れ、自然やアートに集中することができます。
杉本博司氏について
杉本博司は、世界的に有名な現代美術作家です。
1948年に東京で生まれ、現在はニューヨークと東京を拠点に活動しています。
彼の作品は、写真、建築、彫刻など多岐にわたり、国際的な評価を受けています。
杉本博司の代表的な作品の一つが「海景」シリーズです。
このシリーズでは、世界各地の海を撮影し、時間と空間の概念を探求しています。
シンプルでありながら深い意味を持つ写真は、多くの人々に感動を与えています。
また、彼の作品は、過去と現在、東洋と西洋の文化を融合させたものが多く見られます。
さらに、杉本博司は建築家としても活躍しています。
彼は建築家の榊田倫之とともに「新素材研究所」を設立し、数々の建築プロジェクトを手がけています。
江之浦測候所もその一つで、自然素材と現代技術を融合させた建築が特徴です。
杉本は「石や木などの自然素材に対話しながら建築を作る」ことを大切にしており、その姿勢が江之浦測候所にも表れています。
また、杉本博司は古美術の蒐集家でもあります。
彼のコレクションには、日本や世界の歴史的な美術品が含まれており、それらを通じて過去の文化や歴史を現代に伝える活動を行っています。
江之浦測候所の敷地内にも、彼が集めた古美術品が展示されており、訪れる人々に古代の文化を感じさせる仕掛けが施されています。
江之浦測候所の設計者
江之浦測候所の設計者は、現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏です。
この二人は「新素材研究所」というプロジェクトを通じて、自然素材と現代技術を融合させた建築を数多く手がけています。
杉本博司氏は、その独特の美的感覚と深い芸術的な探求心を持ち、数々の作品で世界的に高く評価されています。
杉本博司氏は写真家として特に著名で、特に「海景」シリーズで知られています。
彼の作品はシンプルでありながら、深い哲学的な意味を持つものが多いです。
その美的感覚は建築にも反映されており、江之浦測候所の設計にも強い影響を与えています。
一方、榊田倫之氏は建築の専門家として、杉本氏のビジョンを具体的な形にする役割を担っています。
二人のコラボレーションにより、江之浦測候所はただの建物ではなく、アートと自然が調和した特別な空間として完成しました。
江之浦測候所の設計には、自然素材が多く使われています。
例えば、夏至光遥拝100メートルギャラリーの壁面には大谷石が使用されています。
この石は、自然のままの風合いを残しており、時間の経過とともに変化する美しさを持っています。
また、冬至光遥拝隧道にはコールテン鋼が使われており、これも時間の経過とともに錆びて独特の風合いを醸し出します。
これらの素材選びには、杉本氏の「素材との対話」というコンセプトが強く反映されています。
また、江之浦測候所は環境との調和を重視して設計されています。
建物の配置や方向は、夏至や冬至の太陽の動きに合わせて計算されています。
これにより、自然の光や影が建物に美しい効果をもたらし、訪れる人々に季節の変化を感じさせます。
杉本博司氏と榊田倫之氏の共同作業によって、江之浦測候所は芸術と自然、そして建築が一体となった独自の空間を実現しています。
展示されるアート作品
江之浦測候所では、さまざまなアート作品が展示されています。
これらの作品は、杉本博司氏が手がけたものを中心に、彼の芸術的なビジョンを体現しています。
訪れる人々は、現代アートと古代の美術が融合した独自の空間を体験することができます。
まず、江之浦測候所で注目すべきは「夏至光遥拝100メートルギャラリー」です。
ここでは杉本氏の代表作である「海景」シリーズが展示されています。
このシリーズは、世界各地の海を撮影したもので、時間と空間の概念を探求しています。
ギャラリーの先端からは実際の相模湾が見渡せるため、写真と現実の海が織り成す美しいコントラストを楽しむことができます。
次に「冬至光遥拝隧道」では、自然光を取り入れた独特のアート体験ができます。
冬至の日の出の光が70メートルのトンネルを通り抜ける設計となっており、1年に一度だけ見られる幻想的な光景です。
トンネル内部には「光井戸」が設けられており、古代の井戸枠と現代のガラス素材が組み合わさった作品を鑑賞できます。
また、「光学硝子舞台」も見逃せません。
これは、透明な光学硝子を用いた舞台で、海に向かって張り出すように設置されています。
光学硝子の特性を生かし、光の屈折や反射を通じて独特の視覚効果を生み出します。
ここでは能や音楽パフォーマンスが行われることもあり、芸術と自然が一体となった特別な時間を過ごすことができます。
さらに、杉本博司氏が集めた古美術品も展示されています。
例えば、室町時代に建てられた「明月門」や、千利休作と伝えられる茶室「待庵」を再現した「雨聴天」など、歴史的価値のある作品が点在しています。
これらの古美術品は、現代のアート作品とともに展示されることで、過去と現在の対話を生み出しています。
江之浦測候所のアート作品は、ただ鑑賞するだけでなく、自然と一体となった体験を提供します。
訪れることで、杉本博司氏の芸術的ビジョンを深く感じるとともに、自然とアートが調和した空間を楽しむことができるでしょう。
環境そのものが展示物
江之浦測候所では、建物や展示物だけでなく、環境そのものが展示の一部となっています。
これは、自然の景観や季節の移り変わりを取り入れた設計がなされているためです。
訪れる人々は、芸術作品を鑑賞しながら、周囲の自然環境と一体となった体験を楽しむことができます。
まず、江之浦測候所の敷地は相模湾を見渡す丘の上に位置しており、海と山の壮大な景色が広がっています。
特に「夏至光遥拝100メートルギャラリー」や「冬至光遥拝隧道」からは、季節ごとに異なる美しい風景を楽しむことができます。
夏至には日の出がギャラリーを照らし、冬至には隧道を通り抜ける光が幻想的な効果を生み出します。
これにより、訪れるたびに異なる景観を体験できるのです。
また、江之浦測候所の建物や構造物には、自然素材が多く使用されています。
例えば、夏至光遥拝100メートルギャラリーの壁面には大谷石が使われており、その自然な風合いが周囲の景観と調和しています。
さらに、敷地内には様々な石や木材が配置されており、それぞれが独自の物語を持っています。
これらの素材は、時の経過とともに変化し、より一層の美しさを増していきます。
江之浦測候所では、自然との対話を大切にしています。建物の配置や方向は、太陽の動きや風の流れを考慮して設計されており、これにより自然の力を最大限に活用しています。
例えば、光学硝子舞台は、太陽の光を取り入れて美しい反射効果を生み出すよう設計されています。
また、建物の屋根や壁には植物が生い茂り、四季折々の表情を見せます。
このように、江之浦測候所では環境そのものが展示物として機能しており、訪れる人々は自然と一体となった芸術体験を楽しむことができます。
これは、単なる美術館ではなく、自然と芸術が融合した特別な空間であることを示しています。
江之浦測候所を訪れることで、自然の美しさとその変化を感じながら、深い芸術体験を味わうことができるでしょう。
なぜ測候所?
江之浦測候所という名前からは、一見すると気象観測を行う施設のように感じられるかもしれません。
しかし、この名前には深い意味が込められています。
現代美術作家の杉本博司氏がこの施設を「測候所」と名付けた背景には、自然と人間の関係を再考するという理念があるのです。
まず、「測候所」という名前には、太陽や月、星といった天体の動きを観測し、その動きに基づいて季節の変化や時間の経過を感じ取るという意味があります。
江之浦測候所では、夏至や冬至の日の出の光が特定の構造物を通り抜けるように設計されています。
例えば、「夏至光遥拝100メートルギャラリー」や「冬至光遥拝隧道」では、特定の日に太陽の光が特定の場所に差し込むようになっています。
これにより、訪れる人々は自然のリズムを感じ、時間の流れを体感することができます。
また、江之浦測候所は、古代人が自然を観測し、その中で自分たちの存在を確認していたという視点を取り入れています。
杉本博司氏は、人類の意識の起源に立ち返り、自然の中で自分たちの位置を見つめ直すことが重要であると考えています。
この施設は、その理念を具体的に表現する場所であり、現代社会においても自然との共生の重要性を再認識させてくれます。
さらに、江之浦測候所では、自然環境そのものを展示物として扱っています。
敷地内の建物や構造物は、自然素材を使い、環境と調和するように設計されています。
また、自然の光や風、植物の成長など、時間とともに変化する要素を取り入れることで、訪れるたびに新しい発見があります。
これにより、訪れる人々は、単なる観光ではなく、自然との深い対話を楽しむことができるのです。
このように、江之浦測候所は「測候所」という名前を通じて、自然との関係を再考し、現代社会における自然との共生の重要性を訴えています。
訪れることで、自然の美しさとその変化を感じ取り、人間と自然の深い関わりを再認識することができるでしょう。
滞在時間はどのくらい?
江之浦測候所の滞在時間は、見どころの多さや敷地の広さを考慮すると、約2~3時間を見積もると良いでしょう。
これは、施設内の主要な展示物や建築物をじっくり鑑賞し、敷地内をゆったりと散策するのに適した時間です。
まず、江之浦測候所は完全予約制で、午前と午後の2部制になっています。
午前の部は10:00~13:00、午後の部は13:30~16:30の時間帯で、それぞれ3時間ずつの滞在が可能です。
この時間帯は、施設内の各ポイントをじっくり見て回るのに十分な長さです。
また、8月には夕景の部もあり、17:00~19:00の2時間で夕日の美しい風景を楽しむことができます。
見どころの一つである「夏至光遥拝100メートルギャラリー」や「冬至光遥拝隧道」など、広い敷地内に点在する建築物や展示物を巡るためには、ゆっくりと歩きながら時間をかけて鑑賞することが推奨されます。
特に、ギャラリー内には杉本博司氏の代表作「海景」が展示されており、その美しい風景を背景にしたアート作品を堪能できます。
また、自然と一体化した展示物や建築物が多いため、散策中に自然の美しさや四季折々の風景を楽しむことも大切です。
例えば、「光学硝子舞台」からの海の眺めや、「化石窟」での古代の遺物の鑑賞など、それぞれの場所で異なる体験ができます。
さらに、敷地内には休憩スペースも設けられており、そこで一息つきながら風景を楽しむこともできます。
特に「ストーンエイジ・カフェ」では、地元で採れた果物のジュースを飲みながら、リラックスしたひとときを過ごすことができます。
このように、江之浦測候所ではゆっくりと時間をかけて見て回ることができるように設計されています。
滞在時間は約2~3時間を目安に、自然と芸術の融合をじっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。
POINT
POINT
江之浦測候所の主な見どころについての感想
- 江之浦という場所
- アクセス
- 主な見どころ
- 夏至光遥拝100メートルギャラリー
- 冬至光遥拝隧道
- 茶室「雨聴天」
- 近場でのランチ
- 総括:キーワードを含めた総括見出し
江之浦という場所
江之浦測候所が神奈川県小田原市の江之浦に設立された理由は、その地理的条件と歴史的背景にあります。この場所は、現代美術作家の杉本博司氏が設計した独特の芸術施設にとって、最適な環境を提供しています。
まず、江之浦は相模湾を望む絶好のロケーションに位置しています。この位置からは、広大な海と雄大な自然の風景を一望することができ、四季折々の美しい景色が楽しめます。特に、夏至や冬至の日には、特定の建物から日の出や日の入りを観測することができる設計がなされており、これが「測候所」と呼ばれる所以でもあります。
また、江之浦は古くからみかんの栽培が盛んな地域であり、その歴史的背景も重要です。杉本氏は、この地の自然と文化を取り入れながら、建築物や展示物を配置しています。例えば、敷地内には「春日社社殿」があり、これは奈良にある国宝・円成寺春日堂を忠実に再現したものです。こうした歴史的な建物が、現代の芸術作品と調和しています。
さらに、江之浦の静かな環境も大きな理由です。都市の喧騒から離れたこの地は、訪れる人々がゆっくりと自然と芸術を楽しむのに最適です。周囲の自然環境が、展示物や建築物と一体化し、訪れる人々に深い感動を与えます。特に、敷地内の竹林やクスノキの大木など、自然そのものが展示物の一部となっており、訪れるたびに新しい発見があります。
江之浦という場所が選ばれた理由には、杉本博司氏の強いこだわりもあります。彼は、人類の意識の起源に立ち返り、自然との共生をテーマにした芸術を創り出すことを目指しており、江之浦の地はその理念を具体化するのに最適な場所だったのです。
このように、江之浦測候所は、その地理的条件と歴史的背景、そして杉本氏の理念が融合した特別な場所です。訪れることで、自然の美しさと歴史の深さを感じ取りながら、芸術と共に過ごす贅沢なひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。
主な見どころ
江之浦測候所には、数多くの見どころが点在しており、その一つ一つが訪れる人々に独自の魅力を提供しています。まず、最も注目すべきは「夏至光遥拝100メートルギャラリー」です。このギャラリーは、夏至の日の出の方角に向かって設計されており、全長100メートルの直線的な空間が特徴です。ギャラリー内には、杉本博司氏の代表作である「海景」が展示されており、自然光が美しく作品を照らします。
次に、「冬至光遥拝隧道」も見逃せないスポットです。この隧道は、冬至の日の出の光を取り込むように設計されており、トンネルの先端から太陽の光が差し込む光景は非常に神秘的です。隧道の内部には、古代の井戸枠を使用した「光井戸」があり、自然光と歴史的な要素が融合した独特の空間を体験できます。
また、「光学硝子舞台」も江之浦測候所のハイライトの一つです。この舞台は、透明な光学硝子で作られており、海に浮かんでいるような感覚を味わうことができます。舞台の背後には、古代ローマの円形劇場を模した観客席が配置されており、歴史と現代が交錯する不思議な空間です。ここでは、能やその他のパフォーマンスが行われることもあり、訪れるタイミングによっては特別なイベントを楽しむことができます。
さらに、「化石窟」も訪れる価値のある場所です。この建物は、昭和時代の農家の道具小屋を改修して作られ、杉本博司氏が収集した化石が展示されています。数億年前の生物の痕跡を間近で見ることで、時間の流れと自然の偉大さを感じることができます。
最後に、「春日社社殿」も見どころの一つです。奈良の国宝・円成寺春日堂を再現したこの社殿は、伝統的な日本建築の美しさを堪能できます。敷地内には、赤い鳥居や歴史的な石造物も点在しており、古代の雰囲気を楽しむことができます。
江之浦測候所の主な見どころは、自然と芸術、歴史が融合したユニークな空間です。これらの見どころを巡りながら、豊かな芸術体験を楽しんでみてください。
夏至光遥拝100メートルギャラリー
夏至光遥拝100メートルギャラリーは、江之浦測候所の中でも特に印象的な施設の一つです。このギャラリーは、夏至の日の出の方向に向かって建設されており、長さ100メートルの直線的な通路が特徴です。ギャラリーの設計は、建築家の榊田倫之と現代美術作家の杉本博司によって行われました。壁面には大谷石が使用され、その自然な風合いが空間全体に独特の雰囲気を与えています。
ギャラリー内には杉本博司の代表作である「海景」が展示されています。これらの作品は、世界中の海を撮影したモノクロ写真で、見る者に静寂と壮大さを感じさせます。特に、ギャラリーのガラス越しに見える実際の相模湾と写真が一体となり、現実と芸術が融合する瞬間を体験できます。
また、夏至光遥拝100メートルギャラリーのもう一つの特徴は、その構造です。南側の壁だけで屋根を支えるキャンチレバー構造を採用しており、北側は全面ガラス張りになっています。これにより、自然光がギャラリー内にふんだんに取り込まれ、時間帯や季節によって変わる光の演出が楽しめます。特に夏至の朝には、太陽の光がギャラリーをまっすぐに貫き、幻想的な光景を作り出します。
ギャラリーの外観も見どころです。外壁には大谷石が使用され、その表面は人工的に加工されておらず、自然のままの質感が保たれています。石の色合いやテクスチャーの違いが、そのまま建物の個性となり、訪れる人々に自然の力強さと美しさを感じさせます。また、ギャラリーに沿う歩道には伝統的な敷瓦が敷き詰められ、その周囲には丸い天然石が配置されています。これらの素材選びにも、杉本博司のこだわりが反映されています。
夏至光遥拝100メートルギャラリーは、江之浦測候所を訪れる際の必見スポットです。この場所でしか味わえない特別な空間と時間を、ぜひ体験してみてください。
冬至光遥拝隧道
冬至光遥拝隧道は、江之浦測候所の中でも特にユニークな施設です。この隧道は、冬至の日の出の方向に正確に向かって設計されており、全長70メートルの直線的なトンネルです。
隧道の素材には、船舶建造にも使用される厚いコールテン鋼が採用されており、その表面は自然な錆びによって独特の風合いが出ています。この錆びは保護膜の役割を果たし、隧道全体の耐久性を高めています。
冬至光遥拝隧道の最大の特徴は、その設計と建設過程にあります。隧道の角度や位置は、冬至の日の出がトンネルの先端から差し込むように計算されており、この設計を実現するためには細かな調整が必要でした。
冬至の日の出の光がトンネルをまっすぐに貫く瞬間は、まさに自然と建築の融合を象徴する光景です。
隧道の内部も見どころの一つです。内部には「光井戸」という採光用の装置が設置されており、自然光が井戸を通じて隧道内に柔らかく差し込みます。井戸枠には中世のものが使用されており、歴史的な要素が現代的な建築に取り入れられています。この光井戸によって、隧道内部には昼間でも柔らかな自然光が入り込み、独特の雰囲気を作り出しています。
また、冬至光遥拝隧道の上面も一部通路として利用されており、隧道の上を歩いて進むと、最終的に「光学硝子舞台」に到達します。この舞台は透明な光学硝子で作られており、海に浮かんでいるような感覚を味わえます。さらに、古代ローマの円形劇場を模した観客席が隧道の上に配置されており、ここからは相模湾の美しい景色を一望することができます。
冬至光遥拝隧道は、自然のリズムと建築が見事に調和した場所です。この隧道を訪れることで、自然の偉大さと建築の技術力を感じることができるでしょう。江之浦測候所を訪れる際には、ぜひこの隧道を歩いてみて、その独特の空間を体験してみてください。
茶室「雨聴天」
茶室「雨聴天」は、江之浦測候所内の魅力的な施設の一つです。この茶室は、千利休が作ったとされる「待庵」を元にして設計されましたが、現代的な要素も取り入れられています。「雨聴天」という名前は、雨音を楽しむという意味が込められており、その独特な構造が訪れる人々に深い印象を与えます。
まず、茶室の外観について説明します。この茶室は、2畳という非常に小さな空間ですが、その中に込められた美意識は非常に高いものがあります。特に屋根には錆びたトタンが使われており、雨が降るとその音がトタン屋根に響き渡ります。この雨音が「雨聴天」の名前の由来であり、訪れる人々に自然と一体化した静寂の時間を提供します。
内部のデザインも魅力的です。茶室の壁は土壁で仕上げられており、質素でありながら温かみのある空間を作り出しています。茶室の前には紅梅と白梅の木が植えられており、これらの木々が四季折々の美しさを演出します。特に梅の花が咲く季節には、茶室の周りが華やかになります。この紅梅と白梅の配置は、江戸時代の絵画「紅梅白梅図」を実際に再現したものです。
また、茶室「雨聴天」は、伝統と現代が融合した空間です。例えば、茶室のにじり口(入口)は非常に低く設計されており、訪れる人は頭を下げて入る必要があります。これは、茶道における謙虚さと礼儀を象徴しています。一方で、現代的な要素としては、茶室の周囲に設置されたガラス窓があります。これにより、外の景色を楽しみながら茶室内の静寂を感じることができます。
茶室「雨聴天」は、江之浦測候所の訪問者にとって特別な場所です。伝統的な日本の美意識を感じながら、現代的な要素も楽しむことができるこの茶室は、訪れる人々に深い印象を与えるでしょう。ぜひ、江之浦測候所を訪れた際には、「雨聴天」で特別なひとときを過ごしてみてください。
近場でのランチ
江之浦測候所を訪れた際には、近くでランチを楽しむこともおすすめです。
美術館見学後のひとときに、地元の食材を使った美味しい料理を堪能できます。
江之浦測候所の周辺には、訪問者に人気のランチスポットがいくつかあります。
江之浦測候所の中では食事は不可となっています。
その代わり、入り口近くにストーン・エイジ・カフェというカフェがあります。
ここは、それ自体美術品とも言えそうな古代ギリシャ遺跡の円柱をベンチにしたような屋外テラスで、地元で採れた果物を使ったジュースやスイーツを頂けるカフェです。
が、営業時間が短いようで、私が行ったときは営業していませんでした。
また、美術館予約客のみが利用できるカフェのようです。
小田原駅周辺には、多くの飲食店が集まっています。
例えば、地元の新鮮な海産物を提供する寿司店や、和食レストランがあります。
小田原港から直送された新鮮な魚介を使った料理は、訪れる人々に大変好評です。
また、駅周辺にはカフェやベーカリーもあり、軽食やデザートを楽しむこともできます。
これらのお店では、地元の特産品を使ったメニューが提供されており、観光の合間にゆったりとした時間を過ごせます。
江之浦測候所の見学と合わせて、近くで美味しいランチを楽しむことで、より充実した一日を過ごすことができるでしょう。
訪れる際には、ぜひこれらのランチスポットもチェックしてみてください。
アクセス
江之浦測候所へのアクセスは、公共交通機関と車のどちらでも可能です。
まず、公共交通機関を利用する場合、最寄り駅はJR東海道線の根府川駅です。
根府川駅からは、江之浦測候所行きの無料送迎バスが運行されています。
所要時間は約10分で、駅からの移動もスムーズです。
ただし、送迎バスは予約制のため、事前に公式ウェブサイトでの予約が必要です。
予約を忘れずに行いましょう。
また、小田原駅からもアクセスが可能です。
小田原駅から根府川駅までは電車で約15分、そこから送迎バスを利用することができます。
小田原駅は新幹線も停車する主要駅なので、遠方からの訪問者にも便利です。
一方、車を利用する場合は、東名高速道路の小田原厚木道路を利用すると便利です。
小田原西インターチェンジで降りて、一般道を経由して約30分で到着します。
江之浦測候所には専用の駐車場が完備されており、駐車スペースに困ることはありません。
ただし、駐車場の利用も事前予約が必要ですので、公式ウェブサイトでの確認と予約を忘れずに行いましょう。
アクセスに関してもう一つの注意点は、江之浦測候所は山間部に位置しているため、道が狭くカーブが多いことです。
特に車で訪れる際には、運転に注意が必要です。
また、徒歩での移動も考慮する場合、坂道や階段が多いため、歩きやすい靴を用意することをおすすめします。
POINT
以上のように、江之浦測候所へのアクセスは公共交通機関と車の両方で可能ですが、いずれの場合も事前の予約が必要です。訪問前に公式ウェブサイトで詳細なアクセス情報を確認し、準備を整えてから出発すると良いでしょう。快適なアクセスで、素晴らしい芸術体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
総括:江之浦測候所の感想は、見どころたくさんでいつまでも過ごしたい。
最後に、今回の記事内容をまとめます。
- 江之浦測候所は神奈川県小田原市にあるアート施設
- 杉本博司が設立し、2017年に開館
- アート、建築、自然が融合したユニークな施設
- 夏至や冬至の太陽の位置に合わせた設計
- 代表的な建物には「夏至光遥拝ギャラリー」と「冬至光遥拝隧道」がある
- 完全予約制で混雑を避けられる
- 杉本博司は世界的に有名な現代美術作家
- 代表作に「海景」シリーズがある
- 杉本博司は建築家の榊田倫之と「新素材研究所」を設立
- 江之浦測候所には自然素材が多く使われている
- 「夏至光遥拝100メートルギャラリー」の壁面には大谷石が使用されている
- 「冬至光遥拝隧道」はコールテン鋼で作られている
- 敷地内には杉本博司の古美術品も展示されている
- 建物の配置は太陽の動きに合わせて計算されている
- 敷地から相模湾を見渡すことができる
- 敷地内には「光学硝子舞台」があり、パフォーマンスが行われることもある
- 「化石窟」には杉本博司が収集した化石が展示されている
- 「春日社社殿」は奈良の国宝・円成寺春日堂を再現したもの
- 敷地内の自然環境が展示物の一部となっている
- 見学は午前と午後の二部制で行われる
- 敷地内に「ストーンエイジ・カフェ」がある
- 江之浦測候所は自然との対話を重視している
- 自然と芸術の融合を楽しむことができる
- アクセスは根府川駅からの無料送迎バスが利用できる
- 車でのアクセスも可能で駐車場も完備されている